辞めるときの会社とのトラブル
トラブル別の対処と、無料の相談先
会社を辞めるときに、有給休暇を使わせてくれない、最後の給料や退職金が払われない、「損害賠償を請求する」と言われた、などのトラブルがあります。トラブルごとに、法律の決まりと、無料で相談できる公的な窓口を、厚生労働省などの公式ページをもとにまとめました。
2026年10月に厚生労働省・労働局・裁判所の公式ページで確認しました
要点
- 有給休暇は、退職日を越えて日を変えられないので、辞める前に使い切れる
- 最後の給料は、請求から7日以内に払う義務がある。会社が倒産したら国の立替払の制度もある
- 「辞めるなら損害賠償」と前もって決める契約は禁止。迷ったら総合労働相談コーナー(無料)へ
目次(10)
辞める前に有給休暇を使わせてくれない
- 年休は原則、働く人が指定した日に取れます。会社の承認は必要ありません(労基法39条)。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
- 退職直前でも取れます。会社が日を変えられるのは事業の正常な運営を妨げる場合だけで、退職日を越えては変えられません。(労働局)
- 年休は退職日で消えるため、辞める前に残りを使い切りたいと申し出れば、会社は日を変えられず認めるほかないとされています。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
- 引き継ぎのため退職日を遅らせてと頼まれても、応じるかどうかは本人が決められます。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
相談先:労働基準監督署 関係するページ:有給消化と最終出勤日
最後の給料が払われない
- 辞めた人から請求があれば、会社は給料日を待たず請求から7日以内に払う義務があります。もめている額も、争いのない分は7日以内です(労基法23条)。(労働局)
- 給料を請求できる期間(時効)は支払日から5年ですが、当分の間は3年です(2020年4月以降に支払日が来た分)。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
- 退職後でも労働基準監督署に申告できます。調べて法違反があれば、会社に是正勧告が出されます。(労働局)
相談先:労働基準監督署
会社が倒産して給料・退職金が払われない
- 倒産で未払いのまま辞めた人に、国(労働者健康安全機構)が一部を立て替えます。対象は退職日の6か月前からの給料と退職金(ボーナスは対象外)。(厚生労働省)
- 立替額は未払い総額の8割。上限は退職日の年齢で、45歳以上296万円、30〜44歳176万円、30歳未満88万円です(厚生労働省Q&A)。(厚生労働省)
- 退職後6か月以内に、裁判所への破産等の申立てか監督署長への認定申請がないと対象外です。早めに労働基準監督署へ。(労働者健康安全機構)
- 請求先は労働者健康安全機構です。破産手続開始の決定や監督署長の認定の日の翌日から2年以内に請求します。(労働者健康安全機構)
相談先:最寄りの労働基準監督署(労働者健康安全機構の未払賃金立替払相談コーナーも) 関係するページ:失業保険の計算
退職金が払われない・減らされた
- 就業規則などで支給の条件がはっきり決まっている退職金は、労基法上の「賃金」にあたり、会社は払う必要があります。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
- 退職金は規程で決めた支払時期に払えばよいとされます。時期の定めがなければ、請求から7日以内です。(労働局)
- 減額・不支給の定めがあっても、認められるのはそれまでの功績を失わせるほどの重大な背信行為がある場合などに限られます(裁判例)。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
- 退職金を請求できる期間(時効)は5年です。給料のような「当分の間3年」の扱いはありません。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
相談先:労働基準監督署(規程の解釈などでもめるときは総合労働相談コーナー) 関係するページ:退職金の手取り
「辞めるなら損害賠償を請求する」と言われた
退職届を受け取ってもらえない・辞めさせてくれない
- 期間の定めのない雇用は、会社が承諾しなくても、辞めると申し入れてから2週間で終わります。「後任が来るまで待て」でも同じです(民法627条)。(労働局)
- 2020年4月の民法改正で、月給制・年俸制でも辞める側の予告は一律2週間。就業規則で延ばすのは無効とする裁判例が多いです。(厚生労働省)
- 期間の定めがある契約でも、やむを得ない理由があれば、すぐに契約を解除できます(民法628条)。(法令(e-Gov))
- 1年を超える有期契約なら、初日から1年たてばいつでも辞められます(労基法137条。一部の専門職・60歳以上などを除く)。(法令(e-Gov))
相談先:総合労働相談コーナー(各都道府県労働局・労働基準監督署内) 関係するページ:退職を言い出せないとき
パワハラ・いじめで辞める
- パワハラ対策は会社の義務です。2026年10月1日からは、お客などからのカスハラ対策も会社の義務になりました。(厚生労働省)
- 会社は相談窓口を置き、事実を確かめ、被害者に配慮し、相談したことを理由に不利益に扱わないよう定める必要があります(労働施策総合推進法30条の2)。(あかるい職場応援団(厚生労働省))
- パワハラをめぐる会社との争いは、労働局長の援助や調停(無料)を使えます。パワハラかどうかを調べて判定する制度ではありません。(労働局)
- いじめ・嫌がらせなど職場環境の争いは、労働局長の助言・指導や紛争調整委員会のあっせんの対象。どちらも無料です。(厚生労働省)
相談先:総合労働相談コーナー(匿名・無料。都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)も) 関係するページ:離職理由の判定(パワハラで辞めたとき)
辞めるよう勧められた(退職勧奨)・解雇された
- 退職勧奨は「辞めてほしい」という勧めで、解雇とは違います。応じるかは自由で、理由を問わず断れます。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
- 解雇は少なくとも30日前の予告が必要。予告しないなら30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)、短い予告なら不足日数分を払います(労基法20条)。(厚生労働省)
- 解雇予告の日から退職日までに求めれば、会社は解雇理由を書いた証明書をすぐ出す義務があります。出ないときは労働基準監督署へ。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
- 退職後でも、退職の理由(解雇ならその理由を含む)などの証明書を請求でき、会社は遅れずに出す必要があります(労基法22条1項)。(法令(e-Gov))
相談先:総合労働相談コーナー(予告手当・証明書が出ないときは労働基準監督署) 関係するページ:離職理由の判定(失業保険)
話し合いで解決しないとき
自分から伝えるのが難しいとき
会社に辞めることを伝えられないときは、退職を言い出せないときを見てください。退職代行を使うなら、会社と交渉できるのは労働組合か弁護士が運営するものだけです(退職代行の選び方)。
よくある質問
会社とのトラブルは、どこに相談すればいいですか?
まずは、各都道府県の労働局や労働基準監督署の中にある「総合労働相談コーナー」に相談できます。無料・予約不要で、電話でも相談できます。給料や残業代が払われないなど、法律に違反しているときは労働基準監督署に申告できます。
辞めたあとでも相談できますか?
できます。最後の給料や退職金が払われないときも、退職後に労働基準監督署へ申告できます。給料を請求できる期間は当分の間3年、退職金は5年です。
次に使うと便利なページ
- 退職を言い出せないとき伝え方のコツと、どうしても無理なときの方法
- 有給消化と最終出勤日退職日から、最終出勤日と伝える日を逆算
- 退職代行の選び方労働組合・弁護士・民間の違いと注意点
- 離職理由の判定会社都合・自己都合・特定理由離職者のどれになるか
- 退職金の手取り税金を引いて、手元に残る額
「辞めるまで」のほかのページ(9)
- あなたの退職プラン手続き・失業保険・保険料・お金の見通しを1ページで
- モデルケースで見る退職から再就職まで45歳・自己都合・月給30万円の例で、日付とお金を通しで
- 退職の進め方とスケジュール伝える時期・退職届・引継ぎの順番
- 退職日はいつがいい?候補の日を比べる(保険料・ボーナス・失業保険)
- 年末に退職するとき12月30日と31日の違い・年末調整・年末年始の窓口
- 希望退職・早期退職に応じるか割増退職金・失業保険と残った場合を2年間で比べる
- 有給休暇は何日もらえる?付与日数・パートの日数・時効2年
- 介護休業給付金と介護で辞める場合休んで続ける・辞めるを比べる
- 家族が亡くなったときの会社の手続き忌引き休暇の日数・扶養から外す届け・年末調整
ほかの分類のページ(79)
失業保険
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- 契約満了・派遣の失業保険雇止めは会社都合? 区分と日数を判定
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