企業型DCの退職後の手続き
6か月の期限と、次の立場ごとの移し先
会社の企業型確定拠出年金(DC)に入っていた人が辞めたときに、資産を移す期限(翌月から6か月)と、次の立場ごとの移し先を出します。期限を過ぎて「自動移換」されたときの手数料と不利益もまとめました。
確定拠出年金法83条と、2026年4月改定の手数料で計算しています(2026年10月確認)
移す期限は6か月
企業型DCの資格は退職日の翌日に失われます。その日が属する月の翌月から数えて6か月以内に移す手続きをしないと、資産は国民年金基金連合会に自動で移されます(厚生労働省)。たとえば9月30日に辞めると、資格を失うのは10月1日で、期限は翌年4月30日です。
次の立場ごとの移し先
| 辞めたあと | 移し先 |
|---|---|
| 転職先に企業型DCがある | 転職先の企業型DC(iDeCoを選ぶこともできる) |
| 転職先に企業型DCがない | iDeCo(掛金を出す加入者か、運用だけの運用指図者) |
| 公務員 | iDeCo |
| 扶養に入る(第3号)・自営業(第1号) | iDeCo |
| 60歳以上で辞めた | 企業型DCに運用指図者として残る(自動移換されない) |
自動移換されると
- 運用されない:現金のまま置かれ、増えません。
- 手数料が引かれる:移されるときに計4,348円(3,300円+1,048円)、その後も毎月計98円(58円+40円)が資産から引かれます(2026年4月改定。iDeCo公式)。
- 受け取りが遅れることがある:自動移換の期間は、60歳から受け取るための「通算加入者等期間」に数えられません。60歳の時点でこの期間が10年に足りないと、受け取りは61〜65歳からになります。
自動移換されたあとでも、iDeCoや転職先の企業型DCに移すことはできます(移すときにも手数料がかかります)。
脱退一時金を受け取れる人
- 資産が1万5,000円以下:企業型DCにもiDeCoにも入っておらず、資格を失ってから6か月以内なら、企業型DCに請求できます。
- それより多い:60歳未満で、iDeCoに入れない人(国民年金の保険料の免除を受けている人など)、掛金を出した期間が5年以下か資産が25万円以下、などの条件をすべて満たす場合だけです。
くわしい条件は厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」をご覧ください。
2026年12月からのiDeCoの変更
2026年12月1日から、iDeCoに入れる年齢が「70歳未満」に広がり、会社員の掛金の上限は企業年金と合わせて月6.2万円になります(iDeCo公式)。60歳以上で国民年金に入っていない人のための区分(第5号)もできます。
よくある質問
何もしないとどうなりますか?
退職日の翌日の月の翌月から6か月以内に手続きしないと、資産は国民年金基金連合会に「自動移換」されます。現金のまま運用されず、手数料(移されるとき計4,348円、4か月後からは管理手数料が月98円で、年1回まとめて)が資産から引かれ、60歳から受け取るための加入期間にも数えられません。
転職先に企業型DCがあれば、自動で移りますか?
転職先の企業型DCに入った場合、6か月たっても前のDCに資産が残っていれば、転職先のDCに移されます。ただし、手続きを確かめておくと安心です。転職先にDCがない場合は、自分でiDeCoに移す手続きをします。
脱退一時金として受け取れますか?
受け取れるのは一部の人だけです。資産が1万5,000円以下なら、条件を満たせば受け取れます。それより多い場合は、iDeCoに入れない人で、掛金を出した期間が5年以下か資産が25万円以下、などの条件があります。多くの人はiDeCoに入れるので、移すことになります。
60歳以上で辞めたら?
60歳以上で辞めた人は、企業型DCに「運用指図者」として残り、自動移換されません。加入期間などの条件を満たしていれば、老齢給付金を請求できます。一時金で受け取ると退職所得になり、会社の退職金と合わせて税金を計算します。
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