65歳前後で辞めるときの失業保険
64歳と65歳、どちらで辞めると多い?
生年月日と月給などから、65歳の誕生日の前々日までに辞めて「基本手当」を受け取る場合と、65歳になってから辞めて「高年齢求職者給付金」を受け取る場合の額を比べます。基本手当を受ける間に止まる年金の分も差し引きます。
2026年8月1日からの金額で計算しています(2026年10月確認)
64歳と65歳の境目
雇用保険では、年齢は誕生日の前日に1つ増えます。そのため、65歳の誕生日の前々日までに辞めると「基本手当」(いわゆる失業保険。4週間ごとに受け取る)、前日以降に辞めると「高年齢求職者給付金」(一時金)になります(石川労働局のQ&A)。
| 64歳で辞める(誕生日の前々日まで) | 65歳で辞める(誕生日の前日以降) | |
|---|---|---|
| 受け取るもの | 基本手当 | 高年齢求職者給付金 |
| 日数 | 90〜150日(自己都合・定年) 90〜240日(会社都合) | 50日分(雇用保険に入っていた期間が1年未満は30日分) |
| 受け取り方 | 4週間ごとの認定日のあとに | 認定日1回で、まとめて |
| 1日あたりの上限 | 7,830円(60〜64歳) | 7,450円(30歳未満と同じ) |
| 65歳になる前の年金(受け取っている人) | 止まる(あとで一部戻る) | 止まらない |
月給が同じでも、日数が多い分、基本手当のほうが多くなることがほとんどです。ただし、特別支給の老齢厚生年金を受け取っている人は、基本手当を受ける間は年金が止まるので、差し引きで考える必要があります。
高年齢求職者給付金とは
65歳以上で雇用保険に入っていた人(高年齢被保険者)が辞めたときの給付です。辞める前の1年に、雇用保険に入っていた月が通算6か月以上あれば受け取れます(ハローワーク)。
基本手当を受けると年金が止まる
65歳になる前に、基本手当を受けるためにハローワークで求職の申込みをすると、その翌月から、65歳になるまでの年金(特別支給の老齢厚生年金・繰上げ受給の老齢厚生年金)が、加給年金も含めて全額止まります(日本年金機構)。
受給が終わったあとに精算され、「止まった月数 −(基本手当を受けた日数 ÷ 30、端数は切り上げ)」か月分が戻ります。つまり、受けた日数 ÷ 30 か月分(切り上げ)の年金は受け取れないと考えると近い額になります(日本年金機構のパンフレット)。
特別支給の老齢厚生年金を受け取れる年齢
| 男性の生年月日 | 女性の生年月日 | 受け取り始める年齢 |
|---|---|---|
| 1953年4月1日以前 | 1958年4月1日以前 | 60歳 |
| 1953年4月2日〜1955年4月1日 | 1958年4月2日〜1960年4月1日 | 61歳 |
| 1955年4月2日〜1957年4月1日 | 1960年4月2日〜1962年4月1日 | 62歳 |
| 1957年4月2日〜1959年4月1日 | 1962年4月2日〜1964年4月1日 | 63歳 |
| 1959年4月2日〜1961年4月1日 | 1964年4月2日〜1966年4月1日 | 64歳 |
| 1961年4月2日以降 | 1966年4月2日以降 | なし(65歳から) |
厚生年金に1年以上入っていた人が対象です。共済組合から出る分は、女性も男性と同じ年齢です(日本年金機構)。
月給別の早見表
64歳で辞める場合は、自己都合で雇用保険に20年以上入っていた場合(150日)です。年金が止まる分は入っていません。
| 月給 | 64歳で辞める日額 × 150日 | 65歳で辞める日額 × 50日 |
|---|---|---|
| 20万円 | 737,400円4,916円 × 150日 | 251,800円5,036円 × 50日 |
| 25万円 | 789,600円5,264円 × 150日 | 288,750円5,775円 × 50日 |
| 30万円 | 802,200円5,348円 × 150日 | 315,350円6,307円 × 50日 |
| 35万円 | 814,650円5,431円 × 150日 | 331,450円6,629円 × 50日 |
| 40万円 | 899,850円5,999円 × 150日 | 337,200円6,744円 × 50日 |
| 45万円 | 1,012,500円6,750円 × 150日 | 372,500円7,450円 × 50日 |
| 50万円 | 1,124,850円7,499円 × 150日 | 372,500円7,450円 × 50日 |
よくある質問
65歳の誕生日の何日前までに辞めれば、基本手当になりますか?
誕生日の前々日までです。年齢は誕生日の前日に1つ増えるので、65歳の誕生日の前日に辞めると「65歳で辞めた」扱いになり、高年齢求職者給付金になります。たとえば誕生日が4月10日なら、4月8日までの退職で基本手当、4月9日以降の退職で高年齢求職者給付金です。
64歳で辞めると、自己都合になりますか?
定年より前に自分から辞めると、多くは自己都合の退職になり、1か月の給付制限があります。会社の定年が65歳で、定年の日が誕生日の前日以降なら、定年で辞めても高年齢求職者給付金です。退職金の額が定年退職と自己都合で変わる会社もあるので、就業規則も確かめてください。
高年齢求職者給付金を受け取っても、年金は止まりませんか?
止まりません。年金と一緒に受け取れます。年金が止まるのは、65歳になる前に基本手当を受けるためにハローワークで求職の申込みをしたときの、65歳になるまでの年金(特別支給の老齢厚生年金・繰上げ受給の老齢厚生年金)です。
65歳以上で再就職して、また辞めたら?
65歳以上で雇用保険に入っている人(高年齢被保険者)が辞めたときは、受給の条件(辞める前の1年に、雇用保険に入っていた月が6か月以上など)を満たせば、そのたびに高年齢求職者給付金を受け取れます。
高年齢求職者給付金に、受け取れる期限はありますか?
離職日の翌日から1年です。病気などで働けなくても延長はできません。認定日から期限までの日数が50日(30日)に足りないと、その日数分しか受け取れないので、辞めたら早めにハローワークで手続きしましょう。
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