立場ごとの手続き
公務員が退職したとき
失業保険の代わりの退職手当と、共済の任意継続
国や自治体を辞めた人は、会社員と違って雇用保険に入っていないため、失業保険(基本手当)はありません。代わりの仕組みと、健康保険・年金の手続きを、内閣人事局・共済組合・日本年金機構などの案内をもとにまとめました。
2026年10月に各役所・共済組合などの公式ページで確認しました
要点
- 公務員は雇用保険に入っていないので、失業保険はない。退職手当が失業給付に相当する額に満たないときは、差額を「失業者の退職手当」として受け取れる
- 共済の任意継続は「退職の日から20日以内」。会社員(退職日の翌日から20日以内)より数え始めが1日早い
- 年金は2015年から厚生年金に一元化。再就職しない人は国民年金に切り替える
進め方
- 失業者の退職手当を受けるときは、退職時の所属庁(人事担当)から退職票を受け取ります
- 健康保険を決めます。共済の任意継続にするなら、退職の日から20日以内に申し出ます(初回の掛金の払い込みも20日以内とする組合があります)。国民健康保険や家族の扶養と比べてから決めます
- 再就職しない人は、市区町村で国民年金に切り替えます(扶養していた配偶者も)
- 仕事を探す人は、ハローワークで求職の申し込みをして、失業の認定を受けます(失業者の退職手当を受ける人)
- 年の途中で辞めて再就職しなかった人は、翌年に確定申告をします
期限のある手続き
| 手続き | 期限 | どこで |
|---|---|---|
| 失業者の退職手当(国家公務員) | 原則、退職日の翌日から1年の間に失業していること | 退職時の所属庁(退職票)・ハローワーク |
| 共済の任意継続 | 退職の日から数えて20日以内 | 加入していた共済組合(支部) |
| 国民年金への切り替え | 14日以内 | 住所地の市区町村 |
知っておくこと
- 雇用保険の対象外:国や自治体に勤める人のうち、退職時にもらえる手当などが雇用保険の給付を上回る人は、雇用保険に入らない。(厚生労働省)
- 失業者の退職手当(国):退職手当が雇用保険の失業給付に相当する額に満たず、失業しているときは、その分を退職手当として受け取れる(退職手当法10条)。(内閣人事局)
- 支給の条件(国):原則、勤続12か月以上で退職し、退職日の翌日から1年の間に失業していて、待期日数を超えて失業していること。(内閣人事局)
- 手続きの流れ(国):退職時の所属庁から退職票を受け取り、ハローワークで求職の申込みをして、失業の認定を受ける。(内閣人事局)
- 地方公務員の退職手当:地方公務員の退職手当は各自治体の条例で決める。中身は国の退職手当法に準じている。(総務省)
- 地方の失業者の退職手当:地方でも、失業者の退職手当は総務省が示した条例案の第10条に定めがあり、各自治体の条例で支給する。(総務省)
- 任意継続組合員(国の例):退職の日から数えて20日以内に、申出と初回の掛金の払込みをすれば任意継続組合員になれる(防衛省共済組合)。(共済組合)
- 任意継続の条件と期間:退職の前日まで1年以上組合員だった人が対象。加入できるのは2年間が限度。(共済組合)
- 任意継続組合員(地方):地方職員共済組合も、退職の日から20日以内に申し出て掛金を納めれば、退職後2年間、短期給付を受けられる。(共済組合)
- 掛金の負担(国):国の負担金がないため、任意継続の掛金率は在職中の事務官等の2倍になる。(共済組合)
- 掛金の負担(地方の例):自治体の負担分がなくなるので、任意継続の掛金は全額自己負担になる(札幌市職員共済組合)。(共済組合)
- 掛金の計算:退職時の標準報酬月額と、組合員全体の平均のうち低いほうに掛金率をかけて計算する。(共済組合)
- 任意継続で出ない給付:任意継続になった後に新しく始まった傷病手当金や出産手当金は出ない。(共済組合)
- 年金は厚生年金に一元化:2015年10月1日から、公務員などの共済年金は厚生年金に統一された。(日本年金機構)
- 退職後の国民年金:任意継続は年金を含まない。再就職しない人(本人と被扶養配偶者)は60歳まで国民年金に入る。(共済組合)
- 国民年金の手続き先:第1号被保険者の加入は住所地の市区町村で。退職直後は資格を失った日がわかる書類が要る。(日本年金機構)
気をつけること
- 共済の任意継続は「退職の日から20日以内」と案内されている。会社員の任意継続(退職日の翌日から20日以内)とは数え始めが1日ずれるので、早めに出す。
- 防衛省共済組合は、申出だけでなく初回の掛金も20日以内に払い込む必要があると案内している。
- 掛金率や平均の標準報酬月額は、共済組合ごと・年度ごとに違う。
- 国家公務員の失業者の退職手当にも、受給期間の延長(妊娠・出産・育児、病気など30日以上働けないとき)と、事業を始めた人の支給期間の特例(最大3年)がある。申請書はハローワークで受け取る。
- 地方公務員の失業者の退職手当の細かい条件や窓口は、勤めていた自治体の条例と人事担当で確認する。
- 失業者の退職手当は「失業」していることが前提。働く意思と能力があって仕事が見つからない状態でないと認められない。
使えるツール
住んでいる地域のハローワーク・年金事務所・税務署は地域の窓口を探すで探せます。
よくある質問
公務員でも、ハローワークで失業保険をもらえますか?
雇用保険に入っていないので、基本手当(失業保険)は受け取れません。退職手当が失業給付に相当する額に満たず、失業しているときは、差額を失業者の退職手当として受け取れます(国家公務員は退職手当法、地方公務員は自治体の条例)。
共済の任意継続の期限はいつまでですか?
退職の日から数えて20日以内です。会社員の任意継続(退職日の翌日から20日以内)と数え始めが違うので、早めに申し出てください。
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