立場ごとの手続き
退職して海外に住むとき
転出届・国民年金の任意加入・住民税と所得税
会社を辞めて海外に住むときは、国内の引っ越しと違う手続きがあります。出国前にしておくことを、総務省・日本年金機構・国税庁・厚生労働省の案内をもとにまとめました。日本国籍の人向けです(外国籍の人の在留資格の届け出はやさしい日本語のページに)。
2026年10月に各役所・共済組合などの公式ページで確認しました
要点
- 出国前に市区町村へ海外転出届。国民健康保険は抜け、国民年金は任意加入(20歳以上65歳未満)になる
- 住民税は1月1日に住所がある市区町村でかかる。出国前に払うか、納税管理人を決める
- 所得税は、出国の時までに確定申告するか、納税管理人を決めて翌年に申告する
進め方
- 退職後に届く書類(源泉徴収票・離職票など)を、出国前に受け取れるよう会社と相談します
- 市区町村に海外転出届を出します。マイナンバーカードを海外でも使うなら、同じときに国外継続利用の申請をします
- 国民年金を任意加入で続けるかを決めます(出国前なら市区町村で)
- 住民税は、出国前に払い終えるか、納税管理人を決めて届けます
- 所得税は、出国の時までに確定申告をするか、納税管理人を決めて税務署に届けます
- 失業保険は、4週間に1度ハローワークで失業の認定を受けて支給されます。配偶者の海外勤務に同行するときは、受給期間を延長できます(海外旅行や語学留学は対象外)
期限のある手続き
| 手続き | 期限 | どこで |
|---|---|---|
| 海外転出届 | 出国する前 | 住んでいる市区町村 |
| マイナンバーカードの国外継続利用 | 国外転出予定日の前日まで(転出届と一緒に) | 住んでいる市区町村 |
| 住民税の納税管理人 | 出国する前 | 住んでいる市区町村 |
| 所得税の納税管理人の届出 | 出国の時まで | 税務署 |
| 所得税の確定申告(納税管理人を決めないとき) | 出国の時まで | 税務署 |
| 在外選挙人名簿の登録(出国前に申請するとき) | 転出届を出したあと、転出予定日まで | 市区町村の選挙管理委員会 |
知っておくこと
- 海外転出届:海外へ引っ越すときも、前もって市区町村に転出届を出す。転出先と転出予定日を届ける。(総務省)
- 国民健康保険の対象:国民健康保険は、市区町村に住所がある人が対象の制度。(厚生労働省)
- 国民健康保険の資格:海外に転出すると、転出日の翌日に国民健康保険の資格がなくなる扱い。(厚生労働省)
- 国民年金は任意加入に:海外に住むと国民年金の強制加入ではなくなるが、日本国籍の人は任意加入できる。(日本年金機構)
- 任意加入できる年齢:外国に住む日本人で、20歳以上65歳未満の人が任意加入できる。(日本年金機構)
- 任意加入の手続き先:出国前なら住所地の市区町村。出国後は、国内に協力者がいれば最後の住所地の市区町村で。(日本年金機構)
- 住民税は1月1日の住所で:住民税は、その年の1月1日に住所がある市区町村で、前年の所得をもとに課税される。(総務省)
- 翌年1月1日に国内にいない:年の途中で出国し、翌年1月1日に国内に住所がなければ、その年の所得に住民税はかからない。(総務省)
- 住民税の出国前の手続き:1月1日より後に出国しても、国籍に関係なく納税義務は残る。出国前に納税管理人を決めて届けるのが原則。(総務省)
- 所得税(管理人を決める):転出の時までに納税管理人を決めた場合は、翌年2月16日〜3月15日に管理人を通じて確定申告する。(国税庁)
- 所得税(管理人を決めない):納税管理人を決めずに出国する場合は、出国の時までにその年の所得の確定申告(準確定申告)をする。(国税庁)
- 納税管理人の届出書:「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」を出す。管理人は個人でも法人でもよい。(国税庁)
- 失業保険の受け取り方:基本手当は原則4週間に1度、指定日に管轄のハローワークへ行き、失業の認定を受けて支給される。(厚生労働省)
- 受給期間の延長(海外同行):配偶者の海外勤務に本人が同行する場合は、受給期間の延長が認められる(内縁の配偶者も含む)。(厚生労働省)
- 延長の対象外:海外旅行や語学の勉強のための留学などは、受給期間の延長の理由にならない。(厚生労働省)
- 延長できる長さ:受給期間(原則、離職日の翌日から1年)は、最長3年延ばせる(合わせて最長4年)。(厚生労働省)
- マイナンバーカード:2024年5月27日から、日本国籍の人は国外転出後もマイナンバーカードを使い続けられる。(マイナンバーカード総合サイト)
- カードの継続手続き:国外転出届のときに、カードと国外継続利用申請書を出す。手続きしないと転出予定日に失効する。(マイナンバーカード総合サイト)
- 海外からの投票:国外転出届を出した後、転出予定日までなら、在外選挙人名簿への登録を出国前に申請できる。(総務省)
気をつけること
- 国外への転出では、国内の引っ越しと違って転出証明書は交付されない(総務省資料)。
- 海外に住む期間が短いときに転出届が要るかどうかは、住んでいる市区町村に確認する。
- 受給期間の延長がない場合、受給期間(原則1年)を過ぎると残りの基本手当は受け取れない。
- 東京のハローワークのQ&Aでは「事業主の命により海外勤務をする配偶者に同行」と書かれている。配偶者の勤務の形によっては事前にハローワークへ確認する。
- 国民年金に任意加入している間は、保険料の免除や納付猶予は申請できない。
- 帰国して住民票を戻すと国民年金は強制加入に戻り、手続きが必要。短い一時帰国でも同じ。
- 住民税は、口座振替や出国前の全額納付などで市区町村の認定を受ければ、納税管理人を置かなくてよい場合がある。
- 所得税で申告が必要かどうかは、その年の所得や控除の状況による。迷ったら税務署で確認する。
使えるツール
住んでいる地域のハローワーク・年金事務所・税務署は地域の窓口を探すで探せます。
よくある質問
海外に住んでいる間も、国民年金を払う必要がありますか?
海外に住むと加入の義務はなくなりますが、日本国籍の20歳以上65歳未満の人は任意加入できます。任意加入している間は、保険料の免除や納付猶予は申請できません。
年の途中で出国したら、住民税はどうなりますか?
翌年1月1日に国内に住所がなければ、出国した年の所得には住民税がかかりません。ただし、出国した年に払う住民税(前の年の所得の分)は残るので、出国前に払うか、納税管理人を決めます。
次に使うと便利なページ
- 退職のやることナビ退職前から翌年まで、期限つきチェックリスト
- 退職後の住民税退職後に払う額と、届く時期
- 失業保険の受給期間の延長病気・出産・育児・介護で働けないとき
- 退職した年の確定申告源泉徴収票から、戻る税金の見込み
- やさしい日本語会社をやめたときの手続き(ふりがなつき)
「辞めたあとの手続き」のほかのページ(25)
- 退職後の書類が届かないとき源泉徴収票などの期限と頼み先
- 辞めたときに届く書類の見方源泉徴収票・退職所得の源泉徴収票・資格喪失証明書(見本つき)
- 期限を過ぎてしまったとき過ぎるとどうなるか、まだできること
- 任意継続と国民健康保険の比較退職後の保険料を、2年分くらべる
- 国民健康保険の加入の届けの書き方会社の健康保険をやめて国保に入るとき(横浜市の様式の例)(記入例つき)
- 国保の軽減の届け(倒産・解雇などで辞めた人)の書き方倒産・解雇・雇止めなどで辞めた人は、国民健康保険料が下がる(記入例つき)
- 国民年金の免除・納付猶予辞めた人の特例と、段階ごとの保険料・将来の年金
- 国民年金の切り替えの届けの書き方辞めて国民年金に入るとき(14日以内)(記入例つき)
- 高額療養費の計算医療費がいくらまでで済むか(2026年8月からの上限)
- 任意継続の申出書の書き方欄ごとの書き方と、まちがえやすいところ
- 任意継続をやめる届け(資格喪失申出書)の書き方再就職したときや、国保・家族の扶養に切り替えるとき(記入例つき)
- 国民健康保険料が高い市・安い市86市と東京23区を年収別に比べる
- 退職後の傷病手当金受け取り続ける条件と、1日の額
- 年の途中で辞めた人の年末調整どこでされる? されないときは確定申告
- 扶養控除等(異動)申告書の書き方再就職した日に新しい会社に出す申告書(記入例つき)
- 基礎控除申告書(年末調整)の書き方年末調整のときに出す。前の会社の給与も合わせて見積もる(記入例つき)
- 保険料控除申告書(年末調整)の書き方年末調整で出す。辞めたあとに自分で払った国保・国民年金も書く(記入例つき)
- 確定申告は必要?退職金・失業保険・ふるさと納税の扱いを判定
- 確定申告書(退職した年)の書き方年の途中で辞めて再就職しなかった人の還付の申告(記入例つき)
- 退職後にもらえるお金チェック自分で申請できる給付と、戻ってくる税金
- 公務員が退職したとき失業保険の代わりの退職手当と、共済の任意継続
- 退職して引っ越すとき住民税・国保・ハローワークの管轄と、届けの順番
- 退職してフリーランスになるとき開業届・再就職手当・健康保険と年金
- 妊娠・出産で退職するとき出産手当金・出産育児一時金・失業保険の延長
- 脱退一時金の計算外国籍の人が帰国するときの年金のお金と税金
ほかの分類のページ(63)
辞めるまで
- あなたの退職プラン手続き・失業保険・保険料・お金の見通しを1ページで
- モデルケースで見る退職から再就職まで45歳・自己都合・月給30万円の例で、日付とお金を通しで
- 退職の進め方とスケジュール伝える時期・退職届・引継ぎの順番
- 退職を言い出せないとき伝え方のコツと、どうしても無理なときの方法
- 退職日はいつがいい?候補の日を比べる(保険料・ボーナス・失業保険)
- 年末に退職するとき12月30日と31日の違い・年末調整・年末年始の窓口
- 希望退職・早期退職に応じるか割増退職金・失業保険と残った場合を2年間で比べる
- 有給消化と最終出勤日退職日から、最終出勤日と伝える日を逆算
- 有給休暇は何日もらえる?付与日数・パートの日数・時効2年
- 退職代行の選び方労働組合・弁護士・民間の違いと注意点
- 介護休業給付金と介護で辞める場合休んで続ける・辞めるを比べる
- 家族が亡くなったときの会社の手続き忌引き休暇の日数・扶養から外す届け・年末調整
- 辞めるときの会社とのトラブルトラブル別の対処と、無料の相談先
失業保険
- 失業保険の計算いくら・何日・いつから受け取れるか
- 失業保険をもらえるかの判定雇用保険に入っていた月を数える(パート・転職も)
- 離職理由の判定会社都合・自己都合・特定理由離職者のどれになるか
- 契約満了・派遣の失業保険雇止めは会社都合? 区分と日数を判定
- 病気・障害で辞めたときの失業保険300日・360日になる人
- 失業保険のもらい方持ち物チェックと、いつまでに行けばよいか
- 離職票はいつ届く?会社の手続きの期限と、届かないときの相談先
- ハローワークの求職申込書の書き方失業保険の手続きの最初に、ハローワークで書く(記入例つき)
- 受給資格者証の見方離職理由コード・6桁の日付・扶養の目安
- 失業保険の認定日と振込日待期・給付制限と、振込の日付
- 求職活動実績の回数と期間認定日ごとに、いつまでに何回
- 失業認定申告書の書き方欄ごとの書き方と、○と×の付け方
- 失業保険中のアルバイト・内職減る額と、繰り越される日数
- 失業保険と扶養受け取りながら扶養に入れるか・どっちが得か
- 被扶養者(異動)届の書き方退職して家族の健康保険の扶養に入るとき(記入例つき)
- 受給期間延長の申請書の書き方欄ごとの書き方と、出す時期
- 職業訓練でもらえるお金失業保険の延長・受講手当・月10万円の給付金
- 教育訓練給付金の計算学び直しの費用の20〜80%が戻る
- 教育訓練給付金の申請書の書き方講座を修了したあと1か月以内にハローワークへ(記入例つき)
- 再就職手当をもらえるか8つの条件をチェック
- 再就職手当の計算早く就職したときに受け取れる額
- 再就職手当の申請書の書き方自分で書く欄と、会社に書いてもらう欄
- 就業促進定着手当の申請書の書き方再就職手当のあと6か月働いて、賃金が下がったとき(記入例つき)
退職金とお金
- 退職金の手取り税金を引いて、手元に残る額
- 退職所得の受給に関する申告書の書き方退職金を受け取る前に会社に出す申告書(A〜E欄)(記入例つき)
- 退職金の平均と比べる学歴・勤続年数・辞め方ごとの相場
- 退職金とiDeCoの受け取り順同じ年?先に? 税金を比べる(2026年の9年ルール)
- 企業型DCの退職後の手続き6か月の期限と、移し先
- 退職した年のふるさと納税の上限収入が減った年の上限の目安
60歳前後で辞める
- 定年退職と失業保険60歳定年で受け取る額と、再雇用の給付金を比べる
- 辞めると年金はいくら減る?早く辞めた分、毎年の厚生年金が減る額
- 65歳前後で辞めるときの失業保険64歳と65歳、どちらで辞めると多いか
- 65歳以上の失業保険(高年齢求職者給付金)いくら・いつまで?年金と同時に受け取れる
そのほか
- Immigration notification(英語)在留資格の届け出(14日以内)の英語の説明
- How to quit a job(英語)会社の辞め方の英語の説明
- Resident tax(英語)退職後の住民税の英語の説明
- Unemployment benefits(英語)失業保険の英語の説明
- Leaving a job in Japan(英語)外国籍の従業員向けの英語のチェックリスト
- Lump-sum withdrawal(英語)脱退一時金の計算の英語版
- Health insurance and pension(英語)退職後の健康保険と年金の英語の説明
- よくある質問の一覧各ページの質問と答えを、分類ごと・言葉で探せる
- データを使う方へ調べた数字のCSVと、出典の書き方
- 書類の書き方出す書類の書き方と、届く書類の見方の一覧
- このサイトを紹介してくださる方へ紹介文の例と、掲示用のA4の案内
- 地域の窓口を探す都道府県ごとのハローワーク・年金事務所・税務署
- 退職の用語集よく出てくる言葉を短く説明
- 計算ツールをサイトに貼る人事・社労士・ブログの方向け。無料・広告なし
- 退職する人に渡す手続きの案内人事担当者向け・A4で印刷できる1枚
- 数字で見る退職辞める人の数・理由・退職金の平均(公的統計)
- 制度が変わったところ失業保険・雇用保険・社会保険・税金の改正
このページの更新日: